(研修会報告)
テーマ 『医療依存度の高い利用者に対する連携』
日時 平成16年8月26日(木) 13:30〜16:30
場所 広島国際会議場 地下2階 「ヒマワリ」
参加人数 計 241 名
研修内容
1. 広島市からのお知らせ・・・広島市社会局介護保険課 斎藤専門員
2. 事例発表
乳がん術後・カテーテル管理が必要な利用者のケアプラン
・・・広島県看護協会居宅介護支援事業所「中央」
介護支援専門員 宮田 真弓 氏
往診医療の実態と医療連携
・・・総合病院福島生協病院 院長 斎藤 紀 氏
3. 総評及び講演
「高齢者ケアをめぐる職種間の連携と協働」
・・・岡山大学医学部保健学科成人看護学講座 教授 西田 真寿美 氏
報告事項
 上記要領で実施。今回は医療ニーズの高い利用者の在宅ケアの推進のため医療系と介護職との連携をどのように図るかをテーマに、2つの事例を参考にグループ討議を行った。事例1では現任の介護支援専門員より、感染のリスクと癌性疼痛や骨折のリスクを抱えながら医師・訪問看護師・ヘルパー・ケアマネジャーとの協働でトラブルなく順調に在宅療養を3ケ月経過した事例についての紹介であった。
 事例2では往診医療の実態から在宅医療において、医師は他職種や他の医療機関との連携を図るコーディネーター的役割を果たしていることを紹介していただいた。
 グループ討議では、30グループに分かれ、それぞれの立場から他職種との連携や協働を図るために何をするべきかをキーワードに活発な意見や情報交換が行われた。
 その中で今回は医師の参加にあたり本音でコミニュケーションがとれてよかったとの意見があがった。
 総評及び後援は、西田氏の研究で看護職・介護職・社会福祉師認識調査により高齢者ケアをめぐる他職種の連携と協働となる問題点を見出し、連携や協働を円滑にするために何が必要なのか糸口になる発表であった。

(グループワーク研修会アンケートまとめ) 平成16年8月26日(木)
「医療依存度の高い利用者に対する連携」 13:30〜16:20/広島国際会議場ヒマワリ
問1 参加者職種(回答数241人)
1 介護支援専門員 152人(63%) 2 訪問介護 44人(18%) 
3 訪問看護 31人(13%)   4 医師 14人(6%)
問2 研修会のないようについて。(回答数193人)
1 大変参考になった 74人(38.5%) 2 参考になった 110人(57%)
3 ふつう 8人(4%)   4 あまり参考にならなかった 1人(0.5%)
感想(抜粋)
1)連携について
(主な意見:他職種の方、他事業所の方と話しができて良かった。連携の重要性を改めて感じた。カンファレンスが大切だと思った。)
Drを交えて素直に意見交換ができて、大変勉強になりました。それぞれの立場を知り、相手を理解することが、連携をスムーズに運んでいくことにつながると改めて感じました。
ケアマネジャーとのグループワークというのが初めての参加で、Drも交えて、大変勉強になりました。サービス提供事業者として、ケアマネジャーとの連携は取れても、先生とは取る機会がなく、意見を聞くことができ、参考になりました。色々な事例も沢山出て、これからのケースの為にも参考になりました。
初めて会合に出てきました。色々勉強になり、また、西田先生の話しを聞き、皆様、大変頑張っていらっしゃるので、これから頑張ります。
西田先生の話から、連携、協働を阻む要因の分析みたいなものがされていましたが、ここから何か学べるテーマが隠されているような・・・。例えばコミュニケーション技法とか。
メンバーからの意見、Drの意見等参考として、勇気をもって連携を行う気持ちが大切だと思いました。当たって砕けろの前向きな姿勢になり、元気をもらいました。
事業所ごとに色々な困難ケースが聞けて、今後に役立てたいと思います。やはり利用者の方や家族との信頼関係を持つことが大切であり、サービス事業所との連携を図ることを今後、頑張っていきたいと思います。
異なった職種との意見交換ができてよかった。何度も言われていることではあるが、もう1度確認でき、明日からの業務にも是非生かしたいと思った。
チームケアでしっかり支援していくには、やはりカンファレンスの重要性を感じた。それも、1歩先のカンファレンスが大切。直接各職種と意見交換ができて良かった。
高齢の方は頻繁に訪問する人の顔をよく覚えておられ、ヘルパーに信頼を寄せておられますが、ケアマネジャーとして、中間で情報を吸い上げ、足しげく通い、発信していきたいと思います。グループの中で本音が聞けて参考になりました。
他事業所の方と話すことがあまりないので、大変勉強になりました。
訪問介護の方の悩みも聞けて良かったです。
ケアマネジャーの抱えた悩み、また他職種の思い等よくわかった。連携の必要性は、誰もわかっているが、難しい反面も持っていると思う。
2)医師との連携について
(主な意見:Drと話ができて良かった。積極的にDrにアプローチをしていきたい。FAXシートを活用したい。)
Drに参加していただきグループに入っていただき、日頃の活動等を具体的にお話しくださり、こういう風に考えておられるDrもいらっしゃることにとても参加した甲斐がありました。私たちケアマネジャーは訪問看護、ヘルパーとの連携を取ること以上に、主治医との連携を取ることがとても難しく、壁を感じざるをえないのが現状です。今後もケアマネジャーからのアプローチが大事であることを再認識し、Dr側にもその認識を持ってほしいし、こうした機会を作っていただけたらと思います。
私の事業所は、ケアマネジャー、訪問看護もいるため、連絡も取りやすいのだが、Drとのかかわりは少なく、どのようにコミュニケーションを取るべきか悩んでいたのですが、今回の研修で、ただ電話連絡だけでなく、細かく出向いてコミュニケーションを取っていきながら、連携を図ることが良いと認識しました。
事業者側からは、主治医の協力が得られないときがあるとの意見がでた。主治医側からは、今まで担当者会議を1件しかしたことがない、もっと依頼して欲しいとのことで、もっとケアマネジャーも積極的に関わっていかなくてはいけないと思った。FAXシートの活用も大事だと思う。
Drから直接の声をお聞きすることができ、連携をとる難しさを感じていたのだが、少し解消できそうです。他職種との連携をこまめに行うことの必要性を感じた。利用者や家族、他職種との人間関係の大切さを再認識した。
Drとの関わり方、Dr1人1人の考え方があるということがわかりました。いかに連携を取るのが難しいか、何回も足を運ぶことで受け入れられていくもので、努力を惜しんではいけないと思いました。
Drの意見が直接聞けたことが良かったと思う。考え方の違いを感じたが、そういう中での介護支援専門員としてどういう風に接したら良いかも、少し聞けました。とても参考になりました。
Drとの連携については、他のケアマネジャーさんも大変苦労されている様子がわかりました。週間サービス計画表やケアプランをDrに見ていただいては、とのお話は、大変参考になりました。
主治医の持つ役割の大きさ、主治医の意見が反映されたケアプラン、主治医へ積極的に情報提供を続けて行くことも大切と思いました。今日、出席をしてくださったDrのように、総合病院退院時、積極的に関わっていただける、病院医師の情報もしっかりと知っておく必要がありと思います。
様々な意見が聞け、Drのアドバイスがとてもよくわかり、これからの仕事に有意義でした。勇気が湧いてくる内容でした。
Drに対しての反発が強く出ていたが、では各主治医にケアプランを送っているのか?作業をケアマネジャーが怠っているのではないかと反省もしました。
今回、テーブルにDrがおられ、本音やアドバイスが聞けて良かった。
Drにフランクにお話して頂いて、参考になることが多くありました。
本当にDrの方が来てくれたことにびっくりした。往診に行けるDrが増えると良いと思う。
Drとの連携の重要性、積極的なアプローチが必要であると再認識できた。
Drに現場の状況を伝える機会が持て、直接助言も得られ、とても良かった。
Drの立場からのご意見、感想をお聞きすることができ、とても参考になった。
主治医のもとでカンファレンスをすすめている地域があり、どの地域もそういう風になっていけばいいなと思いました。
主治医との連携の取り方が参考になった。Drの意見が聞けて良かった。
往診を積極的にされているDrの話を聞くことができて、大変良かった。
参加されたDrと同じ思いのDrが多くいればと思います。
来て頂いた先生方は非常に理解ある先生方で、全ての先生が理解して頂けたらと感じました。
今日、話しができたDrのような方がもっと増えれば、在宅が成り立って行くのではないかと思います。
Drと意見交換できて大変よかった。病気を治療することも大切だが、接し方にももっと温かみが欲しいと訴えた。
医師会用FAXシートを活用して、主治医との連携をとる必要性を痛感しました。
3)医療依存度の高い利用者に対する連携について
(主な意見:カンファレンスが重要。ヘルパーの関わり方が難しい。)
私は現在訪問介護をしておりますが、医療行為をどこまでヘルパーが行うか、行えるかということに、いつも疑問を感じて仕事をしております。線引きをするのはとても難しく、家族の理解と、医療行為のヘルパーへの教育も大切だと思いました。連携の大切さも現場で働いておられる方の話を聞き、とてもよくわかりました。
医療行為については、もっときちんと定義すべき。幅が広すぎる。全てを医療従事者が行うのか?物理的にも無理なのに明記がない。技術の習得があれば、家族が行っている事柄は行えるようになる日が近々来るのでは?
医療依存度の高い方が、どんどん在宅になる中で、介護負担の軽減などを考えると、訪問介護は不可欠となるが、ヘルパーさんがしてはいけないことと、家族が望むこととの距離がありすぎる。爪切りひとつにしても、してはいけないと言われているヘルパーさん。今後は、家族のできるくらいの医療行為は経験年数を考慮し、ヘルパーさんが研修してできる体制が必要になるのでは。医療を必要としている(訪問看護)をケアマネジャーにより、判断が違う点の意見があり、在宅酸素の利用者に対して検討すべきではないかと反省した。
通リハ、通所介護では、基本的に医療処置等認められないため、医療依存度の高い方、ターミナルの方を受け入れてもらえる通所サービス事業所をさがすのに苦慮しています。
医療依存度の高い方のプランやサービスについては、事業所により差があると感じました。
医療依存度の高い方ほど、頻繁なカンファレンスが重要であると再認識させられました。
医療依存度の高い方は、やはり退院前の病院との連携が重要と思われる。
ヘルパーとしては、医療行為はできないため、専門職であっても無力さを感じている。