(研修会報告)
テーマ 『平成17年度事例発表会』
講師 城西国際大学福祉総合学部福祉経営学科 服部万里子 氏
日時 平成17年9月13日(火)13:00〜16:30
場所 広島国際会議場「ヒマワリ」
参加人数 300人
研修会報告
 開会式では、広島市域居宅介護支援事業者協議会の落久保会長の挨拶の後、広島市社会局介護保険課の佐々木課長から挨拶がありました。
 続いて城西国際大学の服部万里子先生による「介護保険制度見直しの中でのケアマネジャーの役割・課題」について講演いただき、本年10月と平成18年4月の制度改革について、介護予防給付とはなにか、ケアマネジメントはどう変わるか、地方分権の時代における市町村の責任と権限の強化、ケアマネジャーへの更なる質の向上への要求等改定のポイントについてお話しをいただきました。
 今後ますます各事業者及びケアマネジャーの自覚と力量の向上が求められ、淘汰の時期に入りつつあるとの事で身の引き締まる思いがしました
 その後、事例発表提出事例が各区から出され、8例の発表が行われました。
 最後は服部万里子先生による総評が行われ、各事例発表者に対して労をねぎらい又助言をいただきました。
 閉会挨拶を広島市域居宅介護支援事業者協議会の名越副会長が行い、日程を無事終了いたしました。

(研修会アンケートまとめ) 平成17年9月13日
「平成17年度事例発表会」 13:00〜16:30/広島国際会議場ヒマワリ
問1 本日の研修のテーマはいかがでしたか。(回答数144人)
1 大変よかった 71人(50%) 2 よかった 65人(45%) 
3 ふつう 8人(5%)   4 あまりよくなかった 0人(0%)
5 よくなかった 0人(0%)    
問2 本日の研修の内容はいかがでしたか。(回答数145人)
1 大変参考になった 54人(37%) 2 参考になった 77人(53%)
3 ふつう 14人(10%)   4 あまり参考にならなかった 0人(0%)
5 全く参考にならなかった 0人(0%)    
<事例発表会について>(抜粋)
成功、失敗例、それぞれに考えさせていただいく良い機会となりました。
とても内容が深い良い事例だった。
共感できる事例が多く学ぶものが多かった。
日々の業務の中で大変だったでしょうが、とてもよくできた発表だったと思います。
事例発表された方々お疲れ様でした。これからの仕事に役立てたいと思います。
各区のケアマネジャーの努力、苦労がよく理解でき、大変勉強になりました。
それぞれの事例はとても参考になり、自分のこととして当てはめて考えられた。今後の業務の参考となった。
皆さん色々な方向から利用者を支えておられるケースがあることがわかり、私も明日からまた頑張ろうと思いました。
ケアマネジャーの役割について、どのようなことがケアを進める上で大事なのか、いい勉強になりました。
自分の受け持っている方の事例と重ねて聞きました。いろんな側面から支援されていることが伺え参考になりました。
自分が抱えている事例に似たものがいくつかあり、大変参考になりました。
各々の事例が参考になりました。(自分の事例の中で悩んでいた事例と良く似た事例を発表されたので参考にさせていただきます。)
今までにない医療を扱った事例で大変よかった。
家族はもちろん医療とのかかわり関わりについて、多くを学ぶことができました。積極的に医療に向かっていきたいと思いを新たにしました。人間が相手なので、難しいし楽しいと思いました。
ケアマネジャーとして色々な視点をもち、他業種のサービス担当との連携をとり、チームとして取り組んでいくことが大切だと思った。
チームケアの必要性、連携の必要性を強く感じた。地域のサービスか、インフォーマルサービスの情報をどれだけ知っているかがサービスの質につながると思った。
どこのケアマネジャーも限られた時間で、難しいケースに取り組んでおられるのだと感じました。全ケースを通して、問題の打開策を生み出すのは、やはりチームケアが共通しているように思いました。
他の職種との連携がとても大切になってきていることを感じた。それだけ重度の方々が在宅での生活をされているということに驚いている。
色々な考え方、家族の中での問題をぶつけてもらい、地域を取り込んで皆の力をもらって、支えて行くことが必要と感じ、少し明るくなりました。
どこまでケアマネジャーが踏み込んでよいのか等、困難なことが多く、今回の発表を聞き励まされた。
ケアマネジャーとしてどう関わって行くか、どう連携をとっていくか、考えることができたし、すごく勉強になった。
順調に援助が進んだもの、検討を重ねていったもの、援助が上手くいかなかったもの等、色々な事例が出されよかった。
成功例だけでなく、困難事例のどの部分を困難と受け止め、そこにどう関わっていったか、結果上手くいかなかったこと等でもいいが、その視点が見える事例を勉強できるといいと思う。キーワードでは不十分。
良く頑張っておられると感心した。最後の勇気ある発表にも感激しました。
成功事例もさることながら、最後の発表の方の内容は今後の参考、自らを省みる機会となりよかった。タイミングを逃したがために、信頼やサービス導入を失うことはあると思うので、失敗事例を提示してもらい反省することは勉強になる。
アセスメント失敗事例が大変わかりやすくよかったです。
受け持ち利用者様の中の数名は、やはり手のかかる方がおり、毎月その人を中心に訪問、モニタリングをしているように思えるが、みんな同じなのだなと安心した。自分だけが大変なのではないという思いが聞けて、気持ちが少し楽になった。
日々困難な事例に接しつつ、業務を行っているが、発表された事例の方々の検討されている状況や熱心な関わりを拝聴でき励みになりました。
パワーリハビリの効果が今ひとつよくわからなかったが、改善された事例を聞けてよかった。家族間の関係が在宅を支えるには大事なことがよくわかり、困難な事例は、関係事業所スタッフとの連携、相談の必要性を再確認できた。
自分の事業所にはおられないような利用者の事例を聞くことができ、勉強になったし励みにもなった。
様々なケースの事例発表で共通することは、利用者のニーズを見極め、利用者の意欲向上に結びつける目標を持つ。それに関わるサービスをつなげるネットワーク作りが重要ということがよくわかりました。私自身、在宅が困難となってきている利用者さんを担当し、悩んだりしていたところでしたので一筋の光が見えたようでした。ありがとうございました。
重い事例への対応をされているケアマネジャーが多いことに驚き、すごいと思ってしまいました。独居の方への対応は、行政などの協力がもっとほしいと思います。
ケアマネジャーの職業としてどこまでが守備範囲なのでしょうか?誰も関わる人がいなければ、ケアマネジャーが必然的に動かざるをえなくなる現実があります。悩んだり迷ったり、皆さん苦労されているのがよくわかりました。苦労するのが偉いのではなく、プロとしてのケアマネジメントとチームでの関わりが課題だと感じました。
各区から代表が出ていたため、地域による環境面の差もあったと思うが、それが良かった。自分だったらどうしたであろうかと考える事例ばかりだった。共感できることばかりでした。
皆さんまとめ方がとてもよかったですが、パワーポイントを全員使われた方が良かったと思います。
病気のある利用者では、一般家庭医よりも往診専門の先生の方が、在宅での指示はやりやすい気がする。
今年の事例は医療との連携をテーマにしたものが多かったようです。医療とのスムーズな連携は当初からのテーマであり、良い方向に向かっているのだと思います。
服部先生のコメントが大変わかりやすかった。
ケアマネジャーはそれぞれ大変と聞いて、疲労感が増しました。緊急時やキーパーソンがおられない方々の対応は、ケアマネジャーが必要以上に動くことが多分にあります。行政が見て見ない振りをしていることについては、どのように考えていけばいいのでしょうか。
ケアマネジャーの仕事に成功したとか、失敗したというものがあるのだろうか。利用者を目の前にやってみてどうかの連続です。利用者の一生を共に描いていけるケアマネジャーになりたいと思う。
<講演について>(抜粋)
先生の適切なアドバイスに力をえました。次回も服部先生でお願いします。
服部先生の講演をもう少し聞きたかった。タイムリーな内容でとても良かったと思う。
ケアマネジャーの業務、任務を理解いただいており、何よりも同じ立場でケアマネジャーの気持ちをわかってもらっていることが非常に心強く感じました。
来年度に向けての改定にあたって、ケアマネジャーの観点から妥当である、そうでない、という考え方が聞けたことがよかった。やはり現場に立つ人からの意見はとても力強く感じた。
介護保険の見直しについて詳しく見直された経緯や理由を含め、説明いただき理解しやすかった。介護支援専門員として、今後の厳しい状況と行政への投げかけの手段なども伺えてよかった。
ケアマネジャー報酬が公開されていないことについて。先生のお力がとても必要で、頑張っていただきたい。心から応援しています。
来年の4月の改正に向けての介護支援専門員としての意見が聞けて良かったです。来年に向けての心の準備が少しできたような気がしました。ありがとうございました。
制度の見直しについてケアマネジャーとして何をすべきかを聞かせていただいてとても勉強になりました。先生ご自身がアマネジャーをされているため、とても共感できるお話でした。来年からの改正で食居住費の説明ができない状況があること、懸念しなければならない点等、自分自身の感じていること、考えて不安に思っていることをずばりお話ししていただき、少し安心できました。
服部先生の講演内容が来月のことにもつながるので、一言も聞き漏らすまいと必死でした。完璧に勉強しなければ利用者に理解を得られないのではと考え・・・。厳しい現状なのでだんだん辛くなるなと感じました。
介護保険制度の見直しの中でのケアマネジャーの役割の多さ、難しさ、重さを感じました。
今後の介護保険の改定の部分が理解できました。同時に、現場で感じている疑問点は声にしないといけないと実感しました。
現場で働いているケアマネジャーとして意見を発信する必要があると思った。
もう少し時間をかけてゆっくり聞きたかった。その人の生活実態を把握し、ケアマネジメントしてゆく私たちのケアマネジメントプロセスと介護度の維持、改善は関係しない。ケアマネジャーとしての仕事に誇りをもって!その言葉にこれから迎える波にも耐えられそうです。
厚労省の政策を受けて行くだけでは、どんどん高齢者の生活は切り捨てられて行く一方であり、ケアマネジャーの立場からも、意見を出していかなければいけないと思った。
介護予防給付の問題点を示しながらの説明だったので、わかりやすかった。通所系のサービスが入っていない利用者を多く抱えているので、来春からどうなるのか不安になりました。
ケアマネジャーとして少しストレスを感じてしまいました。最後の先生のコメントで少し勇気が出ました。
来年4月からの介護保険の具体的な動向が見えてきたと同時に、ケアマネジャーの仕事への不安と大変さを感じました。
介護予防についてすごく興味深かったが、今後の不安を強く感じる。
今後、ケアマネジャーの仕事を続けて行くか考えさせられる内容でした。
現場においての悩み(問題)と介護保険制度の問題点、特に介護保険で高齢者に対する社会保障の中心的役割を担う方向にありながら、制度改正が場当たり的であり、将来の制度像が見えないのは問題である。民間が事業所運営をする以上、現場では重要と思われるサービスであっても、採算があわなければ提供できないし、参入されない。現場で必要なサービスを導入される環境を作ることが厚労省の役割であり、その上でサービス競争が行われる市場となるべきと考えます。是非、予算をどこで削るかではなく、必要な社会保障は何かを厚労省に対し、訴えていただきたいと思います。現場の利用者に対する処遇が、社会保障を高齢者が感じる身近な評価であると考え頑張っているケアマネジャーが多くいると思います。やる気を失うケアマネジャーが今以上増えないよう報酬改定の件も頑張ってください。
内容の濃いものでありもっと時間をかけてほしかった。
内容が充実して、盛りだくさんだったので時間をもう少し多くとってほしかった。
もう少し時間があってもよかった。その分、事例を半分くらいにして、発表のみではなく質問の時間もほしい。
進行が早くついていけないことがあった。
介護保険制度見直しの中、まだまだ不透明なある中、とてもわかりやすくお話しくださいました。もう少し時間をかけてお話しをお聞きしたかったと思います。
新しい情報をわかりやすく話してもらってよかった。もっと詳しく時間をかけて聞きたかった。
内容はとても良かったが少し早口で話されたので、理解できない部分もあった。
とても分かり易く話されたので理解し易かった。時間が足りず早口で話されていたので、もっと時間配分を考慮して研修会をしてほしい。
ケアマネジャーとして制度変更に対してとても不安に思っている。現在でも上手くできていない。減算になるのが現状なので。その上残業も多く。しかし、決まってしまえば法令には従わないといけないし・・・とジレンマもあります。法令を作る人には理解してもらえない「生活の場」を援助していけるケアマネジャーになれるよう努力していきます。
包括支援センターと居宅介護支援事業所との関わりの具体性がまだよく見えない。市の方針をはっきり示して欲しい。
減額(申請方式)だが、労力をかけずにもっとスマートな自己負担額の決定を、広島市は考えて欲しい。あまりにもケアマネジャーに丸投げでは。また、本日のような説明は、きちんとなぜされないのでしょうか。文書のみが送付されています。
最近までは、利用者の思いを大切にして、その人らしさが生かせるよう支援に取り組んでまいりました。しかし、改正により、給付を制限して行く方向になり、行政は一体ケアマネジャーに何をさせたいのかわからなくなっているところです。この講演を機会にレベルアップできるよう頑張っていきます。
ケアマネジャーの資格更新制について、実際にはどのような基準が必要となるのでしょうか。また、利用者にはケアマネジャーの必要性が理解されつつありますが、主治医やサービス提供事業所にはまだまだ、ただの事務員さん兼相談員に思われているようです。
<参加してみたいテーマ及び意見等>
介護保険制度の見直しについて
今回のような事例検討会
介護予防の具体例について
認知症のケアマネジメント
地域のサービスの発掘にケアマネジャーがどういうふうにして具体的に取り組めば実現するのか、勉強会や研修会、行政としての取り組みがあれば教えてほしい。
ケアマネジャーの社会的地位向上へのスキルアップ研修
地域との連携を進めるためのソーシャルワークの研修
医療機関との連携をどのように作っていったらいいのか?また、医療知識(ケアマネジャーとして必要な部分)を学習したい。
特定疾患等の医療保険を併用する例、医学管理が必要な在宅ケアについて
閉じこもりの方をいかに生活支援をさせていただけるようにするか。
身元引き受けについて
服部先生のような方の講演をお願いします。
平成18年度以降の地域包括支援センターが導入された後の居宅介護支援事業所と予防ケアプラン作成の委託関係について具体的に教えていただきたい。又その作成研修も参加してみたいと思っています。
自立に向けたポジティブニーズの取り上げ方、利用者からの聞き取り方
ICFについて
認知症、精神疾患の方とのかかわり方について
来年度からの介護予防導入についてのケアマネジャーのあり方
介護予防―具体的に。どうケアプランに位置付けていくか
担当者会議の進行の方法
認知症の一人暮らしを支える為に訪問介護サービスでできない部分の援助の必要性、外出援助(買い物、通院以外)
初めての参加ですが、会場がゆったりしていて、落ち着いて聞ける環境でよかったです。支援費など介護保険外の支援について具体的に知りたいです。
自立支援ケアプラン立案マニュアルが新刊されるということなので、それを使っての自主勉強会みたいなものを開いて向上していきたい。
プライドがある大人が我慢して通所するのではなく、心から行きたいと思えるデイや取り組みを紹介して欲しい。ケアプランを作る時に必要なので、通所、ショートなど熱心にされている所を知りたい。
制度変更が目まぐるしいので、その都度、情報ないし講習会を開いて欲しい。
サービス担当者会議の開催方法。なかなか時間調整、主治医との連携、介護者非協力的など開催できてないことが多い。
今生活援助中心で支えている利用者に対して、来年からどのような援助で支えていけるかという面での研修を受けたいと思います。
ケアマネジャーって何でしょうか?求められることは多すぎるがそれに見合う報酬ももらえず、賃金も安い。それでも毎日かけずり回って、紙を揃えなければいけない。家庭、子どもを持つケアマネジャーにはかなりきついです。
講演を聴き、今後ケアマネジャーの仕事を続けることにかなりの不安を感じた。更新制になることやケアプランにチェックが入ることで減算になったりすると、本来の利用者本位ということより、本当に合格できるケアプラン・・・とかになってしまいそうな気がします。それでなくても、ケアマネジャーの仕事は大変で、枠もなく、賃金が少ない、ストレスが多いとかなりの問題があります。私も含めてですが、ケアマネジャーをやめて行く人も増えるように思います。
訪問介護員として丸9年が過ぎました。その間、色々言われるし、利用者により良くとの思いから色々資格をとり、その中の1つとしてケアマネジャーを取りましたが、実際にケアマネジャーをしていないので、まだわからないことがありますが、1つでも理解したくて参加させていただきました。この9年、大きな変化はない気がします。ケアマネジャーのバタバタはヘルパーに伝わってないし、利用者の本当の思いが、ケアマネジャーに伝わっていない気がします。ケアマネジャーは頭が高すぎる気がします。
毎日当たり前のように時間外労働を行い、休日に呼び出されても頑張りながら、行政からはまともな情報もいただけず、紙一枚のお願い文書で介護保険利用料減免の申請のために走り回りながら、利用者さんからは文句を言われ、現場の意見、どのような形で制度に反映していただけるのでしょうか。