(総会・研修会報告)
「平成23年度総会及び自主研修会」
日時 平成23年6月30日(木) 13:30〜16:20
場所 アステールプラザ「中ホール」
参加者 170名


1.総会
(1) 開会
(2) 落久保会長挨拶
(3) 平成22年度事業報告
(4) 議事
 第1号議案 平成22年度決算について
 第2号議案 平成23年度事業計画(案)について
 第3号議案 平成23年度予算(案)について
 第4号議案 役員改選について
各議事については多数の承認を得て可決しました。

2.自主研修会
講演 「災害対応と介護支援専門員の役割」
講師 兵庫県介護支援専門員協会 会長 森上淑美

 森上氏は阪神淡路大震災で災害対応を経験され、今回は日本介護支援専門員協会の副会長として、東日本大震災の災害発生直後から現地に入り、被災者支援と厚労省や県との連絡調整、現地の介護支援専門員の支援活動を行われました。その経験を元に被災地の介護支援専門員の役割について時系列に方向性をもって災害時での対応活動について講演が行われました。(以下が地震及び風水害時の対応〜ダイジェスト版の抜粋です。)

(日頃) 地域の方や災害対策窓口、地域包括支援センター等との連携や防災情報、避難場所等と確認 災害時に向けてのケアプランの作成
(当日・災害前) 安全確認 非難行動支援者の確保
(発災・災害後) 発災状況の確認 利用者の安否確認(医療器具装着等優先順位を考慮)
(1)生存の確認 (2)身体状況の確認 (3)生活環境の確認 (4)今いる場所で以前の生活が続けられるのかの判断 (5)ケアプランの継続及び変更の必要性の確認 (6)緊急対応の必要性の確認 F緊急入院・入所先の選定
医療依存度の高い人の対応 避難所等避難先での生活支援(こころのケア)

 平常時から準備しておくことや応急期(発生当日から3日間)、復旧期、復興へと時系列に介護支援専門員の役割や情報収集をして行政への報告、連絡等の重要性について報告されました。
 最後に会場の参加者に「もしも被災した時に」というシナリオで考えてもらい、(1)すぐ対応すべきことは何ですか (2)対応のための阻害因子、促進因子は何ですか という演習が行われ、参加者も「備えあれば憂いなし」で日頃からの準備の重要性を改めて確認することができました。
(アンケートまとめ)
(回答数102人)
1.本日の研修会はいかがでしたか。
とても参考になった 43人(42%) 参考になった 55人(54%)
あまり参考にならなかった 4人(4%)   参考にならなかった 0人(0%)
2.研修会についての意見等(抜粋)
緊急時のマニュアルや利用者様の名簿は作成していますが、とても不十分なものであることがわかりました。再度確認し、みんなで作成していこうと思います。災害に対しての心構えが再確認できました。
台帳は、是非作成したいと思います。避難所の把握も必要だと感じました。
今、事業所で覚書から安心カードを作成し始めています。今日の研修は、大変参考になりました。必要なものを準備していこうと思います。
今、事業所で防災シートを作成中。いざという時に役に立つ物ができれば…と、皆で知恵を出し取り組んでいます。今日は、台帳作りのヒントをたくさんいただきました。
事業所での課題がわかり、早速取りかかりたいと思った。災害に対して意識が低いことがわかり、普段から考えておかないといけないことだと実感した。
どこに避難するか、利用者さんと確認したり、支援者も決めておく等、具体的にしていきたいと思いました。
普段から考えて対応しなければならない課題を、具体的事例で教えていただき参考になりました。
この東日本大震災以来、日ごろから想定外のことを考えながら仕事をすることが重要と思っている。ケアプランの欄外に今日指摘された情報を書き込んでおこうと思った。
災害が少ない地域で暮らしているので、地震等に対しても危機感がありませんでした。いざという時に慌てない為にも、災害が起きた時を想定して対策を作っておかなければいけないと思いました。
今まで被災時の支援について全くシミュレーションしたことがなく、事業所にラジオ1つ置いてない状態。すぐに災害状況が把握できるよう、事業所で取り組みたいと思いました。
これまで大きな震災の経験もなく、今回の東日本大震災も一言で言えば、他人事のようにとらえていた。現時点で広島で震災が発生したら、何もできないと痛感した。ケアマネジャーだからこそ、できる役割、使命は大きいものだと感じた。
こんなに大きな災害があったにもかかわらず、全て人ごとで、自分たちのこととしてとらえていない事に気づきました。今後は、もっと自分たちのできることからやっていきたい。
ワークの時、自分自身に想定しようとしても、なかなか思い浮かばず、防災意識の薄いことに改めて驚いた。これからは視野に入れるべきだと思う。
介護支援専門員が被災者のためにできること。事例を通して具体的に学ぶことができ、とても参考になりました。災害はいつ起こるかわからないので、そういったことを想定して、日々、業務に携わることも大切と改めて思いました。事業所として少しでもできることから始めていければと思います。
森上先生が震災後、すぐに現地に行かれ、活動的に動かれたことに感動しました。
具体的に私たちはどうすべきかを学びたかった。
被災地でどのようなことが起きているのか、具体的に聞けたらよかった。
3.今後参加してみたい研修会テーマ
認知症について(複数回答)
介護支援専門員の役割(自分がどこまで何をすればよいかわからないことが多いため)
災害時の訓練
地域包括ケアシステムについて
他事業所との連携について
介護保険改正について
医療に関する勉強会
社会資源やボランティアについて
4.その他ご意見(抜粋)
事例検討会は個人の経験や地域によって異なることがあるので、地域ごとでした方がより勉強になると思う。経験年数ごとの勉強会があればよい。