(総会・研修会報告)

令和7年度総会及び自主研修会
日時 令和7年7月17日(木)14:00〜16:00
開催方法 現地開催
参加者 35名
     
 
1.総会
(1) 開会
(2) 落久保会長挨拶
(3) 令和6年度事業報告
(4) 議事
  第1号議案 令和6年度決算について
第2号議案 令和7年度事業計画(案)について
第3号議案 令和7年度予算(案)について
第4号議案 役員の改選について
(5) 閉会

2.自主研修会
講演  「対人援助職に必要な「言語化力」の磨き方」
講師  中央法規出版株式会社 取締役 第1編集部 部長 松下 寿 氏

○講師紹介

  • 1997年7月創刊の「月刊ケアマネジャー」を一貫して担当している。ケアマネジャーは新しい職種なので、現場に行って話を聞くということが大切だと考え、10年かけて日本を三周するぐらい回り、事例検討会も多く参加してきた。現在「月刊ケアマネジャー」は133号になっている。現場を訪れる中で強く感じたことは、優れた実践家が、その取り組みを言語化するのが難しい、或いは苦手だということであり、編集者としては、その部分でのお手伝いをさせていただいていると考えている。

○対人援助職によって「言語化」が重要な理由

  • 自分の考えや感情を言語化できるほど、「情動の解像度」が高まり、その結果として「共感的正確さ」が向上する。ただ、言葉は私たちが生まれる以前から出来上がっているため、自然と身につくものではない。つまり、言語化の力は、学ばないと身につかないということを課題提起された。

○言葉を磨くトレーニング〜ノートを活用する〜

  • 言葉を磨くトレーニングとして、TakingNote、ThinkingNote、CaseNote、ProcessRecordを紹介された。例えばThinkingNoteでは、日々の業務で感じたこと、面接の場面、研修で習ったこと、好きな言葉、気になることなど、関心のあることを、出来るだけ詳しく書く方法を具体的に説明された。講師自身も取り組まれており、1年でノート1.5冊以上にはなっているとのことだった。

○言葉を磨くトレーニング〜辞書に親しむ/定義を考える〜

  • 日本は辞典が豊富であり、それらを読むことで語彙が豊かになるとのことだった。例えば類語辞典では、一つの感情を表現するにしても、様々な言葉があるので参考になる。また、例として、「恋愛」という単語を取り上げ、辞書によって、表現が違うことも紹介された。

○どうすれば書けるようになるのか

  • 村上春樹さんの表現を引用して「とにかく何度でもいいから読み直し、書き直すこと。これしかありません。」と説明された。その後、メールは一晩寝かして見返して送付する、小説は10回程度書き直す、といった村上春樹さんのエピソードを紹介された。

○「書く力」と「読む力」

  • 丸谷才一さんの言葉を引用し、名文を読むこと、名文家は例外なく読書家である、と説明された。 最後に読みやすい文章を書くポイントとして、以下の4点を挙げられた。
    @主語や目的語を明確にする。
    A一文をあまり長くしない。
    B接続詞を適切に使う。そうすると読み手が次の文章を読む心構えができる。
    Cちょっと気取って書くこと。

○最後に

  • 全体的に、言語化力の大切さと、それを身につける難しさを伝えられたような気がした。資料の中には、言語化力を磨く具体的な方法などの説明もあり、その中の何点かは取組んでみたいと思った。利用者と接する機会が多かった相当昔のころ、利用者の声を聞き書きして、その言葉の背景などに思いを巡らせていたころを懐かしく思い出した。一つの事に真剣に取り組んでいる講師の話は、内容も興味深いだけではなく、知らないことも多く学ばせてもらい、研修が終わって帰る時には少し偉くなったような気がした。
(アンケートまとめ)
1.研修会に参加していかがでしたか。(回答数35人)
非常に有意義だった   26人(74.3%)
有意義だった   8人(22.8%)
普通   0人( 0%)
あまり良くなかった   1人( 2.8%)
2.研修内容は、今後の実務に役立つ内容でしたか。(回答数35人)
非常にそう思う   25人(71.4%)
ややそう思う   9人(25.7%)
あまりそう思わない   1人( 2.8%)
そう思わない   0人( 0%)
意見等(抜粋)
  • 今回の研修は従来のものと違った方向からのアプローチで興味深く学ぶことができた。報告書やモニタリングなどの文章や対人での言葉選びの参考になった。分かり易くプロセスが記入できるようになり、読み手に負担がかからないようにしたいと思いました。
  • ケアマネ関連とは違う視点の職種の方の話が聞けて良かった。AI普及の中で人間味のある内容もあり、日々におわれていた中でゆとりの出来た時間でした。
  • あちらの気持ちもちゃんと受け止め、こちらの気持ちもちゃんと伝えるには、言語化が必要だと思う。
  • 言葉の数が多ければ、言い回し1つにしても一人一人に響く言葉を使うことができるのではないかと思いました。
  • 自分のモヤモヤに名前(言葉)を与える力がある人は、他人の言葉にならない思いにも名前(言葉)を与えることができる。これを聞いた時、自分自身がモヤモヤしていて表せなかった事を教えてくださった様に感じ、ピタッとハマりスッキリしました。
  • 読む力をつけることで書く力を養うということが、とても印象的だった。自分の記す文章について深みある表現ができるようにしたいと思う。
  • 人に伝える文章はやはり何度も読み直し、修正が大事だと思います。読み直しをなんとなしに行うのではなく、誰に何を伝えたいのか意識して行なっていこうと思います。
  • 考えや思いを言葉でまとめて伝えるのが難しく感じていたので、本日の研修をきっかけに本を買った。気になったことを書き留めるクセをつけていきたいと思いました。
  • ネットに頼ることが多いですが、辞書をひくのもいいなと思いました。
  • 私は書くことが苦手で、読むことも出来ておらず、管理者に常に「本を読むように」言われていました。 今回の講義はとてもわかりやすく、実践できそうな内容でした。自分がよいと思った文章を繰り返し読むことをしてみようと思います。 研修帰りに書店に寄り類語辞典を探しました。
  • 事業所ケアマネ3名参加させて頂きました。日頃より、仕事柄記録する事多く、その都度 「読みやすい、理解しやすい文章」をと、理由を話しつつ修正してきました。今回の研修後はじめて、聞き耳を持って貰えました。(私自身の力不足もあります) 管理者の評価でなく、解りにくい文章を書いていた、詳しければ良いではないと、反省の弁がありました。今日の講義に感謝します。
  • 実践に即した講義にして欲しかった。
  • 最後の質問の際に、出版社でもAIを活用していると聞いて驚きました。
3.今後、参加してみたい研修のテーマやその他意見等(抜粋)
  • 精神疾患についてそれぞれの事例
  • BCP、CM交流会、ハラスメント、シャドーワークについて
  • 認知症の人とその人を支える介護者の思考が違う場合の対応
  • AIの活用など、簡単に取り入れられる事等知りたい。 情報は沢山あるが、高齢ケアマネが多く、腑に落ちないままで日頃右往左往しています。
  • 今回のように、色々な専門家の意見が聞きたい。食中毒とか、熱中症とか
  • 適ケア